看護学生嘆きの部屋 200608
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てんかん定義:脳の神経細胞の異常放電によって起こる反復性・発作性の、運動・意識・知覚の異常および行動異常
原因:出生前の遺伝的素因、脳の奇形、周性期の脳障害、出生後の脳外傷、脳血管障害、神経系の感染症など様々なもの。50~70%は原因不明
原因のあきらかなもの→症候性てんかん 不明→特発性てんかん
分類:原因による分類:特発性・症候性
誘因による分類:難治性・良性
脳波所見による分類:ペンフィールドの分類・大田原の分類
発作型による分類:てんかん発作の国際分類
症状
大発作
意識喪失で始まる
全身の緊張性・間代性けいれんがつづく
発作中、嘔吐・失禁・牙関緊急・流涎・などを見ることが多い
発作に先立ってめま� ��・腹痛などの前兆をみとめることがある
1回の発作の持続時間は数十秒ないし数分
発作後は眠り込むのがふつう
失神発作(純小型発作)
前兆なしにおこる意識喪失発作
数秒で意識を回復する
脳波に汎発性棘波徐波結合群があらわれる
ミオクロニー発作
四肢または体幹の筋が対称性に瞬間的にれん縮する
脳波所見:両側同期性の多棘波結合の出現
年長児に多い。
発作がシリーズをなして現れることがすくない
脳波所見が点頭てんかんとはことなる
失立発作
発作的に起こる起立困難で患児は転倒する
発作は瞬間的
脳波所見:小発作ににた緩徐な汎発性棘波徐波結合(変形小発作)
幼児期に好発
進行性の知能障害をともない抗けいれん剤がきき� ��くい
点頭てんかん(ウエスト症候群)
乳児期に好発
瞬間的に首の前屈
四肢の屈曲
発作が数回ないし十数回シリーズをなしてあらわれる
脳波所見:リズムにも振幅にも全く規則性のない脳波→ヒプスアリスミア
知能障害をきたすことが多い
ACTHの注射が有効なことが多い
そのほかにVB6大量療法
レノックス症候群に移行しやすい
レノックス症候群
短時間の四肢強直
非定型的な欠神発作
姿勢保持障害
脳波所見:棘波徐波結合
難治性で過半数は知能障害を残す
前兆なしにおこり数秒で意識回復をする
焦点性発作
大脳皮質の一部に器質的病変があっておこる
運動性と知覚性発作がある
運動性発作では病巣に該当する部位、たとえば� �側の手からけいれんがはじまり、これが全身へ波及する
知覚性発作ではしびれ感や痛みがあらわれる
ほか視覚性発作・聴覚性発作・嗅覚性発作
精神運動発作
発作的に画一的な自動運動・意識混濁・記憶喪失・興奮状態があらわれる
吐き気・嘔吐・上腹部違和感などの前兆のみられることがある
脳波所見:側頭葉に異常を認めることがおおい
自律神経発作
発作性に腹痛・嘔吐・頻脈・無呼吸などの自律神経症状が現れる
脳波所見:6&14サイクル陽性棘波(下向きの棘波)
診断))過半数の症例に棘波・高振幅徐波・棘波徐波結合などの異常がみとめられる
治療))フェノバルビタール・バルプロ酸・ヒダントイン・トリメタジオン・ジアゼパム
などの抗てんかん薬投与
与薬が長期にわたるので2~3ヶ月に1回、一般の血液検査、尿検査を行い
2回/年程度の肝機能検査を実施して副作用の早期発見につとめるべき
看護))各204
日常生活はコントロールがうまくできればふつうにおくれる
与薬
指示された抗けいれん剤をきちんと服用すること
服用を怠ることは発作のもととなり、発作が繰り返されると、知能障害をおこしたり悪化につながる
できるだけ発作を予防するようにつとめる。
服薬は親の責任と管理のもとで行われることが望ましい
年長児は自分で管理することになる
服用を忘れないように!!
服薬中は定期的に血中濃度を測定するようにする
薬物の作用・副作用を知って異常の予防や早期発見につとめる
生活
生活の制限はほとんどない
運動もほぼふつうにできる(翌日までもちこすような疲労や精神的なストレスはさけるようにする)
感染などで体調をくずしたときに発作がおこりやすい
女児では月経前後に発作が誘発されることがある
発作の時には衣服をゆるめる
静かに寝かせ吐物や唾液で窒息しないように顔を横にむける
発作がコントロールされていたのに突然起こったようなときはすぐ受診する
2006.08.29(22:11)
慢性気管支炎フレッチャーの基準))痰を伴った咳が毎日3ヶ月以上2年間にわたる場合
肺気腫とともに慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一つ
気管・気管支の解剖
気管は咽頭に続く管で食道の前を下降して胸腔に入り心臓の後ろを下って第5胸椎の高さで左右の気管支にわかれる。気管支は肺門にはいると枝分かれし気管支枝をだしさらに細くなり、終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞管→肺胞の集合体である肺胞嚢で終わる
右気管支の方が太く短く急
内測から粘膜・軟骨・筋層・外膜に分かれる。粘膜は線毛円柱上皮細胞でおおわれているが、終末細気管支から末梢になると線毛はみられなくなり立方上皮細胞となる。肺胞は毛細血管に富んでいる。気管・気管支には多数の馬蹄形の軟骨輪がみられる。気管支� ��後壁を形作る部分は膜様部になっている。枝分かれが進むにつれ軟骨輪は消失する
筋層はすべて平滑筋で気管支の平滑筋は輪状であるが気管支・気管支枝ではでは螺旋状で分布もまばら。(気道の弾力性を保つうえで重要な要素)。外膜は結合線維。これらの弾力線維と、平滑筋の作用で気道の内径を収縮・拡張し空気の流動量を調節している。
線毛上皮の役割→吸入する空気を体温程度に暖め、湿潤にする。
気道内に入った異物を排出する防衛反射
しかし!!肺胞管や肺胞は線毛上皮に欠くため滲出液は停滞して病変に陥りやすい
原因:慢性気管支炎はほかの慢性肺疾患の合併症と考えるのが妥当。(肺の軽症な慢性感染症・排液障害・循環障害・栄養障害などは萎縮や結合組織の増殖を来す ので誘因)
→肺線維症・慢性閉塞性肺気腫・気管支喘息・肺結核・気管支拡張症・慢性副鼻腔炎・鬱血性心不全
病理:気管支粘膜下部組織に慢性炎症や線維性萎縮性の変化
症状:咳嗽・咳・喀痰(粘液性・膿性)
冬季に悪化。無熱・白血球・赤沈の変化なし
診断:X-P→索状影
治療:喫煙を禁止。過度の寒冷をさける。基礎疾患の治療。
咳嗽→りん酸コデイン 喘息様症状→エフェドリン・アミノフィリン
十分な栄養。
予後:完全治癒は難しく、肺・心の重傷合併症を起こせば予後はよくない
看護:
アセスメント))
既往歴→呼吸器刺激物の吸入歴・喫煙歴・咳・痰の既往歴・感染・アレルギー・家族歴
呼吸状態→呼吸促拍・呼吸困難・持続する咳 痰・呼気の延長・呼吸音の減弱・副雑音・補助呼吸筋を使用した呼吸
全身状態→チアノーゼ・傾眠・記憶障害・不穏・混乱・低血圧・労作時の息切れ・倦怠感・食欲不振・体重減少・便秘
気道浄化
増悪因子の除去
呼吸訓練
栄養摂取
休息
排泄→便秘をさけるために1l/日以上
感染予防
不安悩みの緩和
セルフケアの不足を補う
2006.08.29(22:10)
気管支喘息(BA)COPDの一つ
気管・気管支が種々の刺激に対して反応性を高めそのため気道の狭窄をおこして、けいれん性の呼気性呼吸困難とせき、喘鳴などを起こす疾患
外因性喘息→アレルゲン(室内塵・花粉など吸入性抗原・牛乳・卵・そば・なすなどの食事性抗原)
内因性喘息→アレルゲンが明らかでなく精神的な要因が考えられたり、鼻咽喉を含めて呼吸器の感染症あるいは解剖学的異常に原因すると思われる場合
症状)
1)発病年齢は10歳以下の小児期が約1/2
2)壮年期に起こることは比較的すくない
3)小児喘息は麻疹・気管支炎・肺炎などに罹患した後引き続いて発病することが多い
4)突然発作を起こすこともあるが、多くはその前駆症状として鼻風邪様症状や胸部の圧� ��感、乾性咳嗽・頭痛などがありついで発作を起こすことが多い
5)内因性喘息は症状は一般に重く発作が起これば高度の呼吸困難を訴える(とくに呼気が困難になって呼吸補助筋が呼吸運動に参加するので著しく努力性となる)
6)呼吸数は変わらないか減少
7)重症発作ではチアノーゼを伴い発汗が著しい
8)時間は30分から1時間ときには数日間
9)自然寛解することもある
10)喀痰中に好酸球が多く見られシャルコーライデン結晶やクルシュマンらせん体を認めることあり
11)脈拍は頻数細小となり発熱はない
診断)
肺機能:発作中→肺活量・1秒率・1秒率の低下・気道抵抗の上昇
胸部x線検査:特有な陰影なし。発作中は肺の過膨張
心電図:肺性p
血液:ア� �ピー→中等度好酸球増加
動脈血ガス:ぱPaco2は重傷では上昇。軽い発作では低下。Paco2が60以上はきわめて重篤。酸素分圧・飽和度は低下。PHも低下
皮膚反応:病院的抗原で強陽性の反応
吸入誘発試験:肺機能検査で吸入前値と比較して20%以上低下したら陽性
血清IgE:アトピー型では高値
治療)
急性発作時
1)軽症:気管支拡張薬→交感神経β受容体刺激薬(アロテック・メプチン)
2006.08.29(22:09)
慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)両側副腎の慢性的病変により副腎皮質からのH(コルチゾル・アルドステロン・アンドロゲン)の分泌低下をきたす
副腎皮質Hの低下により二次的にACTH高値症状を呈する
特発性では自己免疫疾患(シュミット症候群・HAM症候群)を伴うことが多い
原因)
結核性
特発性
アミロイドーシス
サルコイドーシス
症状)
副腎皮質の3系統の機能低下(コルチゾル↓・アルドステロン↓・アンドロゲン↓)の症状
二次的ACTH↑の症状
コルチゾル欠乏症状
やせ・脱力・精神症状・低血糖
アルドステロン欠乏症状
Na低下・k↑・低血圧・代謝性アシドーシス
アンドロゲン欠乏症状
無月経・恥毛・えき毛が抜ける・骨粗鬆症
ACTH↑の症状→顔面・歯肉・手指に色素沈着
検査)
血中コルチゾル低値
ACTH連続負荷試験にてH増加(-)
治療)
コルチゾル・アルドステロン又はヒドロコルチゾンの投与
看護)
心身の活動性の低下・易疲労性・抑鬱気分に対する援助
低血圧による脳虚血性発作や虚脱を早期発見・予防
精神的・肉体的ストレス・感染症・opや外傷等の直後における副腎クリーゼに注意
2006.08.29(22:09)
輸血法適用
大量の出血によって体内循環動態血液量が減少した場合:外傷・胃潰瘍・食道静脈破裂・血友病
血液成分が変化して正常な生理作用が期待できない場合:低タンパク血漿・一酸化炭素中毒症・敗血症
造血機能が低下した場合:骨髄疾患
種類:全血輸血・成分輸血(赤血球・白血球・血小板・血漿の4つの成分製剤を用いた成分輸血)自己血輸血
血液の加湿、融解について
低温の血液をそのまま輸血するとショック状態やアシドーシスを起こす場合がある。輸
血用血液は37℃前後に加湿する
過度に温めると変化を起こす→赤血球膜浸透圧の抵抗の変化(溶血)、輸血後の赤血球生存率の低下、血色素の機能低下
方法))
施行前
輸血時の循環器官への過重な負担を防ぐた� �に、局所の保温の他、手足を包んで身体中の毛細血管の拡張を促すようにする
氷沈をしている場合にはとりはずしておく
患者の名前と血液型・交差適合試験、輸血バックの名前と血液型を必ず複数の人間で確認する(同姓同名もいるので生年月日やID番号の確認も必要
血液製剤の状態チェック
説明と不安を取り除く
実施
仰臥位とし、点滴静脈内注射と同様の準備
輸血用血液、輸血用血液と同型の血液カード、輸血セット、18G翼状針、点滴曜生理食塩水100ml、アニメック又はブラッドウォーマー(融解時)、駆血帯、肘枕、点滴スタンド、ゴムシーツと処置用シーツ、絆創膏、
輸血バックの穿刺口のミールをはずし、輸血セットの針を垂直に深く刺す(輸血バックに穴をあけないよう注意)
< p>クレンメを確認してバックをスタンドにかける輸血針のキャップをはずし、膿盆の上に針先をむけ、血液をゆっくり落としながらチューブ内の空気を除く(点滴筒内に1/3程度血液をためたこ管に血液が達したらクレンメでとめる
後は静脈注射と同様
輸血中は患者の状態をよく観察し、副作用の有無を知る大切な時間は輸血開始から15分位で、とくに不適合などによる、溶血反応があれば、開始後5分間くらいに胸内苦悶や腰部疼痛などの訴えがあるので注意(型不適合による溶血反応、細菌汚染血によるものは即時的に生命にかかわる)
輸血中滴下速度が遅くなることがあるので、点滴筒内をよく注意しクレンメで医師に指示された速度に調整
一単位の輸血は1~1、5時間で終了させる。ながくとも4時 間以上かけない。(室温に6~7時間放置した場合→4℃保存7日間に相当)
血液バックがからになったら生理食塩水(点滴用)100mlにつなぎ替え、輸血フィルターからセット内に残っている血液が静脈内に入るまで同じ速度で滴下する
輸血の副作用(造321、て成人3血液300~
不適合輸血によって様々な副作用が生じる!!
ABO不適合輸血によって血管内溶血をきたず重篤な即時型と不規則抗体による血管外溶血を主体にした遅延型に分類される
1)即時型は(輸血直後から数時間以内に現れる)
原因)ABO式不適合輸血による
症状)
輸血後まず倦怠感、腰痛、悪寒ではじまり、発熱、ついで胸痛、呼吸困難、ショックへと症状が進展。
乏尿、無尿、DIC併発は予後不良の徴候
2)� ��延型は→輸血後数日~数ヶ月して気づかれるが重篤になるのはまれ
原因)赤血球抗体である抗kidd、抗Rh、抗Duffy抗体を有している患者にこれらの抗原をもった血液が輸血されたことによる
症状)溶血とそれによる黄疸
3)発熱
原因)
患者血液中の白血球抗体と輸血液中の白血球が反応するため
症状)
・溶血を伴わない場合の発熱の場合で、全輸血の0.5~1.0%にみられる
輸血終了後1時間前後で発熱。悪寒を伴うことがある
4)蕁麻疹
原因)
供血者の血漿タンパクに対する抗体が患者体内にあるため
症状)
全輸血の1~2%にみられる
輸血中に顔面や前胸部などに散発性に出現する。軽症のものから喘息発作、呼吸困難を示す重症なものまである
5)アナフィラキ シー反応
原因)IgA抗体を有するIgA欠損症の患者に通常の輸血を行った時におこる激しい、アナフィラキシー反応による
症状)
まれであるが発症すれば時に致死的
輸血開始直後に嘔吐、下痢、腹痛が起こり、発熱はないが、悪寒と顔面紅潮がみられ、次第にショック状態、意識障害へと進行する
6)肺水腫(肺毛細血管から水分が濾出して、肺血管外の水分量が増加した状態(呼吸87)
原因)輸血血液中の抗白血球抗体(白血球凝集素)が患者体内の白血球と反応して凝集を起こし、これが肺に引っかかり、そこでアレルギー反応を起こすため
症状)
輸血後まもなく悪寒、発熱、激しい呼吸困難、チアノーゼの出現をもってはじまり、時にショックに陥る
胸部X-pで心肥大を伴わない肺浸潤像� �所見がみられる
7)心不全
原因)老人、乳幼児、心疾患患者に対して200ml/時を越す急速な輸血を行うと発症する
症状)
急速な循環血液量の増加を来すため呼吸困難、咳、起座呼吸などがみられる
8)敗血症
症状)輸血による敗血状合併は少ない。しかし、濃厚血小板輸血後に発熱がみられた場合は敗血症の可能性も疑い血液培養する
9)クエン酸中毒
原因)主として大量輸血時に抗凝固剤(クエン酸)が同時に輸注されるため
症状)
低Ca血症による口唇のしびれや全身の軽いけいれんを起こすことがある
10)GVHD(移植片体宿主病)
原因)輸血された血液中のリンパ球が患者の組織適合性抗原を異物と認識して、攻撃することが発症の原因
症状)
輸血後3� �30日後に突然39℃台の発熱、ゆでだこ様紅皮症、下痢、肝障害、汎血球減少という5徴候をもって発症
予後はきわめて不良
11)感染症
原因)
HTLV-Ⅰが体内にはいると成人T細胞性白血病発症のおそれ
HIVが入ると、後天性免疫不全症候群発症のおそれ
万人のアメリカ人が社会不安に苦しむ
B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、が入ると肝炎発症のおそれ
ウイルス汚染血液を輸血されてもすぐには感染を裏付ける血清学的変化はでない。数週間頃よりウイルス感染の成立を示す血清学的変化や症状が現れてくる
免疫不全のある患者にサイトメガロウイルス(巨細胞性封入体症の病原体)の入った血液を輸血すると間質性肺炎など重篤な病変を起こすことがある
看護
即時型溶血反応が起こったとき
直ちに輸血を中止して血管を確保しておく
輸血血液のラベル、血液型、性状を確認する
患者より採血し、抗凝固剤入りチューブに血液をいれてただちに検査科へ送り、直接クームス試験と遊離Hb量のチェッ クを依頼
尿量を100ml/時に維持するため生理食塩液を点滴しながら利尿薬を投与する、急性腎不全の状態になれば透析に移行
溶血によるDICに対してはヘパリンを初回5000単位静注、以降2万単位/日を持続点滴する
DICによる血小板減少が著しいときは濃厚血小板を輸注する
発熱のみがおこったとき
単なる発熱であればアスピリン、アセトアミノフェンの投与で軽快する
次回からの輸血は白血球除去フィルターを用いて行う
血小板製剤を輸血して発熱し輸血後の血小板数の増加が得られないときには、次回よりHLA適合血小板の輸血を考える
蕁麻疹がみられたとき
軽度であれば輸血を続行するが症状のでたところで輸血速度を遅くし、抗ヒスタミン薬を投与して様子をみる
輸血するごと� �蕁麻疹のでる患者にはあらかじめ抗ヒスタミン薬を投与しておく
アナフィラキシー反応が起きたとき
まれであるが発症すると症状が激しく致命的なので急を要する
直ちに輸血を中止し、血管を確保した上で救急処置に入る。エピネフリン、ステロイド大量投与、気道確保、酸素吸入、などの処置をおこなう
肺水腫を発症したとき
アナフィラキシー反応と同様処置は急を要する
直ちに輸血を中止して血管を確保し、ステロイド大量投与、利尿薬投与、酸素吸入を行いショックによる血圧低下には積極的に昇圧薬などを使用する
適切な処置を講ずれば24時間以内に寛解する
心不全の起きたとき
上半身を起こし、酸素を与える
利尿薬、強心薬(アミノフィリン)の投与を行う
心不全予防� ��ために輸血速度は1ml/kg/時を守る、全血でなく濃厚赤血球を使用する
GVHDが起きたとき
免疫抑制薬を使用しても無効のことが多く、予防が重要
予防対策は輸血用製剤に15Gy、10分間程度の放射線照射を行ってリンパ球の分裂能を停止させること
感染症対策
ウイルス汚染血液の排除が重要。
サイトメガロウイルスは30歳までの日本人の80%が抗体陽性者である
輸血によるウイルス移入の頻度はたかいので、免疫不全のある患者には顆粒球をのぞいた成分輸血を行うようにする
輸血の実施
仰臥位とし、点滴静脈内注射と同様の準備
輸血用血液、輸血用血液と同型の血液カード、輸血セット、18G翼状針、点滴曜生理食塩水100ml、アニメック又はブラッドウォーマー(融解時)、駆血� �、肘枕、点滴スタンド、ゴムシーツと処置用シーツ、絆創膏、
血液パックの加湿やFFPを融解する場合はサーモスタット付きの加湿器、(ブラッドウォーマー、アニメック)を使用する
患者に輸血を行うことを説明する
あらかじめ排尿を済ませる
VSをチェックする→循環器の機能が著しく低下している患者は循環動態が安定しているかの確認が重要。(VSの変化、、尿量の減少が見られている場合は輸血の実施方法について医師に指示を確認)
血液の確認
内容)
交差試験適合票、血液パックは輸血予定患者のものか、血液は指示された血液成分のものが必要本数そろっているか、交差試験((検査159)主試験→受血者血清+供血者血球 副試験→受血者血球+供血者血清)は適合しているか、血� �バックのNoと交叉適合結果の血液Noは同一か、期限は切れていないか
患者の血液型と照合する
内容)
患者氏名と血液型の確認は必ず、血液型検査票の原本を使用、使用する血液、交叉適合結果、血液型検査票を同時に照合する、照合はかならず2名で行う
穿刺部位の下にゴムシーツ、処置用シーツを敷く
点滴用生理食塩水100mlに輸血用点滴セットを差し込み、点滴セット内、18G注射針先端まで生理食塩水を満たす
患者のできるだけ太い末梢血管を駆血し、医師が静脈針を血管に穿入するのを介助する
血管の確保を確認し、穿刺針を固定する
血液パックを輸血セットに接続する
血液パックを上下に軽く振り、水平位におく→保存血中の血液成分が底に沈殿することがあるのでよく混和させるた� �に行う
血液バックについているビールタブの一方を強くひき、輸血口を露出させる→露出した輸血口には直接手を触れたり、汚染したりしない
輸血セットのクレンメを閉じ、導入針を輸血口の深さいっぱいまで差し込む
導入針の周囲から血液の漏れがないか確認しながら、血液バックを静かに上向きにして持ち上げる→濾過筒を血液で十分満たした方がフィルターの効果がよい
輸血セットの点滴筒を軽く押すようにしてフィルター、点滴筒の1/4~1/2まで血液を満たす
血液バックを点滴台に提げ点滴のクレンメを静かに開く
あらかじめ指示された量の滴下数に調整する(15=1ml)→高度の慢性貧血の場合(Hb4~5g/dl)の場合、あるいはそれが中等量でも心筋障害のあるとき、また循環血液量の増加による急性心 不全の発症の可能性のある場合、速度調節は必ず医師の指示を受ける
*輸血中滴下速度が遅くなることがあるので、点滴筒内をよく注意しクレンメで医師に指示された速度に調整
一単位の輸血は1~1、5時間で終了させる。ながくとも4時間以上かけない。(室温に6~7時間放置した場合→4℃保存7日間に相当)
輸血中は患者の状態をよく観察し、副作用の有無を知る大切な時間は輸血開始から15分位で、とくに不適合などによる、溶血反応があれば、開始後5分間くらいに胸内苦悶や腰部疼痛などの訴えがあるので注意(型不適合による溶血反応、細菌汚染血によるものは即時的に生命にかかわる)
輸血を開始したら15分間隔に訪室しVSの変化、副作用症状の発現、穿刺部位、滴下状況を確認する
血液 バックがからになったら生理食塩水(点滴用)100mlにつなぎ替え、輸血フィルターからセット内に残っている血液が静脈内に入るまで同じ速度で滴下する
輸血が終了したら患者にねぎらいの言葉をかけながら針を抜き、体位、掛け物を整える
VS、一般状態を観察する
終了した血液バックは再度患者の氏名、血液型、交差適合試験の番号を確認し、記録する
内容)
開始、終了時刻、輸血した成分と単位数、交叉適合試験番号、輸血中の状態、副作用出現の有無
2006.08.29(22:07)
輸液の副作用・アレルギー性副作用:気管けいれんやショックに陥ることがある。これはブドウ糖輸液や電解質輸液ではほとんど起こらないがアミノ酸、脂肪、デキストランなどの輸液においてみられる。
軽度であれば→抗ヒスタミン薬の注射
重症 →ショック時の治療
発熱:薬品や器具の汚染のため発熱物質が輸液中に含まれている場合におこる。輸液中または輸液終了後に短時間の悪寒戦慄がおこり、続いて発熱があらわれる。多くは自然に解熱。
循環器系の負荷:輸液によって循環器系に与える負荷に関しては、成人で2000~2500ml/日を500ml/時の限度を超えないように点滴注射すればまず安全。(1分= 滴)心肺に障害があったり、貧血のあったりする患者ではわずかな循環血液量の増加で、うっ血 性心不全から肺水腫を起こすことがあるので注意!!
塞栓症:静脈内に空気を入れてしまう事故。まず1本では右心室を空気で充満させて死亡させるようなことはないが、輸液ビンに2連球をつけて加圧し、ビンの内容がからになったのを知らないで、空気が静脈内に注入されたときに生じる。
2006.08.29(22:06)
腹腔穿刺腹腔穿刺の前には排尿させて膀胱をからにしておく。
体位は腹筋をゆるめ安定した姿勢をとりやすいファウラー位とし、穿刺側が低くなるように反対側にあてものをする。
(臍窩と左前上腸骨棘を結んだ線(モンローリヒターの線)の中央または臍窩3/4の部位に行われる)
腹水を排出することによって急激な腹圧低下や内臓下垂を起こさないよう腹帯を腰の下に敷いておく
医師はゆっくり排液を行うが、その間脈拍や呼吸の状態を頻回に観察しショックの前駆症状の有無を確かめる。
排液の量と性状および検体の本数を記録し抜去後には滅菌ガーゼを小さくたたんで圧迫固定する。
穿刺後は約6時間安静にし30分~1時間ごとにVSのチェックをする
穿刺の留意点
患者の不安を取� �除き協力を得るため十分説明する
無菌操作で行う
円滑に穿刺できるように患者の体位を的確に介助する
穿刺終了直後3~5時間は枕をしないで仰臥位で絶対安静(腰椎穿刺)
実施24時間は床上安静、頭痛・背部痛・眩暈・嘔吐・耳鳴り・などを中心に患者の症状を観察し、異常があればすぐに医師に連絡
髄液の採取や薬液注入による副作用を一般状態とともに観察する
多量の腹水を排液すると、タンパク成分を多量に喪失するため、排液後は著しい脱力感、全身倦怠感が生じやすい。
穿刺後の合併症
腹水漏出(穿刺した針穴より腹水が漏出する)
腸管損傷(穿刺針による腸管損傷)
ショック(大量腹水排液により循環血液量減少、または神経性ショック)
穿刺部血腫(腹壁動脈損� ��、出血傾向による皮下血腫)
穿刺部発赤・疼痛(穿刺部よりの感染)
2006.08.29(22:05)
心房中隔欠損症 ASD心房中隔が完成しなかったもので一次孔開存と二次孔開存とある
成人ではもっとも多い先天性心疾患
病態
先天性心臓疾患の約10%に発生する
予後は比較的良い
左→右短絡(左心房→右心房):肺血流量が増加し肺動脈圧は正常または、次第に上昇
肺高血圧症になると右心房圧も上昇し左→右短絡が減少し、右→左短絡が増すようになる ∴チアノーゼを呈するようになる
症状・診断
30歳ぐらいまでは症状がないことが多い
労作時の呼吸困難・動悸・易疲労性
聴診では左第2,3肋間に駆出性の収縮期雑音を聞く
肺動脈弁口での第Ⅱ心音は固定分裂、分裂音は亢進(正常より大量の血液が肺動脈弁を通過するときに発生)
x-Pでは左第2弓が突出、肺� ��は暗く動脈性うっけつを呈する
右心室・右心房の拡大
ECGは約90%に不完全右脚ブロック 進行→右室肥大
心エコー:Mモードで心室中隔の奇異性運動が特徴
カラードップラー:欠損部の位置・大きさ・短絡血液をみとめる
中心部欠損と高位欠損がある
高位欠損は右葉上還流異常を伴うことが多い
乳幼児期に心不全を来すことは非常に少ない
治療
左右短絡量の少ないものはOPの必要はないがQp/Qs(肺体血流量比)1.8異常のものは学童期にまでに閉鎖手術をすることが望ましい。
OPの危険性は比較的少ない
ただし、アイゼンメンゲル症候群(肺高血圧をともなうと右→左短絡をきたし、チアノーゼを呈すること)を呈しているものは禁忌
2006.08.29(22:04)
心房細動→(Af)心臓は前縦隔にありその約2/3は正中線より左。心臓は心膜に包まれているが心外膜と心嚢膜の間には少量の漿液がある。
右心房には上下大動脈、冠状静脈洞が開口している。心房中隔には卵円窩(卵円孔が閉じた後)がある。右心室との境には三尖弁がある。右心室内壁は左室より発達は軽度。肺動脈との境には肺動脈弁(3尖弁)があり3つの半月状弁で形成されている。
肺動脈弁の方が大動脈弁より頭側で前方。
左心房には左右の上下肺静脈が流入。左心室との境には僧帽弁があり2尖弁である。大動脈との境には大動脈弁(3尖弁)があり左冠尖・右冠尖・無冠尖の3つの弁からなる半月状弁。半月状弁と動脈壁の間でバルサルバ洞をつくる
冠状動脈→左冠尖部から左冠状動脈が出て 前下行枝と左回旋枝にわかれる。右冠尖部からは右冠状動脈が出て冠状溝をまわって後下行枝となる
心臓の筋肉
心房では2層 心室では3層 心筋は黄紋筋
刺激伝導系))
洞結節に始まり房室結節に集まる。左房へは前結節間路からバッハマン束がでる。房室結節をでる房室束は(ヒス束)中心椎体の右を通り心室中隔の膜様部付近で左脚後枝がわかれ左脚前枝と右脚にわかれる。両脚はさらに分かれプルキンエ線維になる。
心筋の興奮は細胞から細胞へと伝えられるが心房と心室の間には結合組織によって断絶されているため刺激伝導系を通じて心室に伝導される。
正常心臓ではこの洞結節が歩調取り(ペースメーカー)の役割を果たす
心臓の歩調取りは正常では洞結節が行い60~90回/分
� �臓の拍動は60~90回/分であり1回拍出量は40~100mlである。心拍は70回1回拍出量を60mlとすると心拍動約10万回、6000l/日拍出されている
心拍出量))
心拍出量=1回拍出量×心拍数
心予備力とは→心拍出量は1回拍出量と心拍数の変化によって増加させることができる。この増加させる能力を心予備力という。
心房細動とは(刺激生成の異常による不整脈)
病態)心房が洞結節からの刺激に応じて規則正しい興奮・収縮を行わず、心房自体で発生した刺激に応じて無秩序に頻回に不定の興奮を繰り返す状態
検査)ECGではP波は欠如。細動波(f波:小さい波)が認められる。R-R間隔は不整。絶対性不整脈と呼ばれる。
発作性心房細動は心疾患を持たないことが 多い。
基礎疾患)冠動脈硬化症・高血圧・弁膜症・心筋症・甲状腺機能亢進症
症状)無症状のこともあるが、動機、不快感を伴う。狭心症・心不全を起こすこともある。心房内血栓形成による塞栓現象をおこし脳塞栓をおこす。健康な人にもみられることがある。
治療)
薬物))→抗不整脈薬(プロカインアミド・アジマリン・ジソピラミド・シベンゾリン・メキシレチン・アプリンジン・プロパフェノン・フレカイニド・ピルジカイニド・プロプラノロール・アミオダロン・ベラパミル・ジルチアゼム)
心室細動・心室粗動の時は除細動をおこなう。発作性上室性頻脈・心房細動・心房粗動・心室頻拍 などで抗不整脈薬に反応しない場合はカルジオバージョンを行う。
2006.08.29(22:00)
痛み発生:痛みは身体を侵害する刺激の存在を知らせる警告反応としてあらわれる。発痛物質が自律神経を刺激したときなどに生じる
分類))
急性痛:多くは一過性で、原因がなくなれば消失するような痛み
慢性痛:痛みをもたらす原因がなくなってきたと判断されてから、さらに3~4週間すぎても持続する痛み。神経の損傷やその治癒過程で生じる神経腫、さらにその痛みの悪循環や心理的要因がかかわっている
癌性疼痛:病状の進行とともに新たな刺激が次々と加わる反復性の高い痛み。
患者の問題))
痛みによる心身の変化は、急性痛では交感神経の興奮、慢性痛では自律神経のバランスの乱れによってもたらされる。
痛みが強まれば他のことは何もすることができなくなり、思考力は低下し 、情緒が不安定になる。また、安静にすることで痛みの広がりを防ぐため、不自然な筋の過伸展と疲労より、筋肉痛がおこりやすい。そのほか肩こりや、背部痛、腰痛など、起こる
急性痛による心身の変化))
1)交感神経の興奮→突然の痛みは交感神経を興奮させ、アドレナリンの分泌を促進し、血圧の上昇、心悸亢進、筋の緊張などをもたらす。交感神経の興奮により嘔吐神経が刺激をうけると嘔気、嘔吐がおこる。激しい痛みでショックを起こすこともある。
また交感神経の興奮に引き続いて覚せい中枢が興奮すると、睡眠をとることは不可能になる。さらに交感神経の興奮は、胃腸運動の低下をもたらす。胃腸運動の低下が加わると、食欲は低下する。努責は痛みを増強させるので排便が控えめになり、食事の量も� ��少するため、便秘がちになる。それが腹部膨満へと障害を拡大させる。
2)死への不安、恐怖
慢性痛による心身の変化))
1)自律神経のバランスの乱れ
自律神経のバランスの乱れは空腹中枢の動きを抑制し、食欲を低下させる。又痛みに注意が集中し、不眠になり、回復しないと、精神活動の低下、意欲の減退、無気力、鬱状態へと進む。栄養摂取量不足や自律神経のバランスの乱れによる便秘、腹部膨満感などは生活活動性を低下させる。
2)不安・不満
痛みが緩和されないことに対する不満から患者は、環境に敏感になり、いらいらして、感情が動揺しやすくなる。自律神経のバランスの乱れを助長し、それがさらに痛みを増強させるという悪循環をまねく。
にきびクリームの成分、R
看護))
十分話を聞くとともに表情や態度をよく観察し、緊急度を把握する
急性期→原因疾患が明らかであれば、医学的な根治治療法によって痛みを除去できるものが多い
慢性期→原因疾患の治療ができない慢性痛や癌性疼痛は痛みの悪循環を断ち切り、日常生活を可能なものにするため、薬物療法やはり治療、神経ブロックや脊髄切断術、心理療法など、最も有効と思われる対象治療が行われる。
痛みの緩和
共感する
付き添う
患部を冷却する:皮膚への寒冷刺激は交感神経を刺激して血管を収縮させるため、急性の炎症症状や打撲による熱感や腫脹を沈静化させて痛みを緩和する
方法))エタノール、ホウ酸をガーゼに浸し� ��れを患部にあてる。
冷水に浸したタオルを患部に当てる、氷枕、アイスノン、ぱっぷ剤、スプレー、
胸痛(特に心筋梗塞が疑われる場合は冷却は血管収縮により、疾病を増悪させる)のときは禁忌!!
患部を暖める:炎症の徴候がない関節の可動域制限のある痛みや、炎症性ではない腹痛、胸痛の場合は患部を温めて副交感神経を刺激し、血管を拡張させ血液循環を改善する、あるいは筋を弛緩させることで、痛みを緩和する。
方法))湯たんぽ、かいろ、電気あんか、温湿布、ホットパック、入浴
気分転換
方法))筋リラックス法、自律訓練法、呼吸法、リラクゼーション(筋の緊張を取り除き、疼痛抑制物質である内因性モルヒネ様物質の分泌を促すため痛みの緩和に役立つ)
鎮痛剤の利用< /p>
不安→精神安定剤のジアゼパム(セルシン)クロルジアゼポキシド(コントロール)
狭心症、心筋梗塞→痛みの増強は交感神経を刺激して、血管の拡張を促し、心負荷を増加させ病態を悪化させるおそれがある。
急性腹症→抗コリン剤(ブスコパン)
慢性関節リウマチ→非ステロイド系抗炎症剤
術後の痛み増強→インドメタシン(インダシン)、ジクロフェナク(ボルタレン)坐薬
ペンタジン、ソセゴンなどの麻薬
神経ブロック、脊髄切断術
痛みの増強因子の除去
痛みに伴う苦痛の軽減
筋緊張を緩和する
頭痛→頚部と肩の筋の緊張をほぐすため温罨法により、毛細血管の血流を促進し、うっ血を改善する。
便秘・腹部膨満の緩和
痛みによる障害の拡大の予� ��
睡眠障害を予防する→覚せい中枢が興奮し眠れないことが多い。
食欲の低下、栄養障害を予防する
2006.08.29(22:00)
出血原因)
激しい圧迫、刃物、骨折による血管の切断、動脈、静脈瘤の破裂、腫瘍、潰瘍、びらんなどによる血管の損傷、血管壁の脆弱化
検査)
血液(RBC、WBC,RBC,Hb、htc、血沈、ph、GOT, GPT)
腎機能、循環機能検査(胸腹部X-p、CT、心エコー、心電図)
治療)
安静療法
薬物療法
輸血療法
患者の持つ問題))
不安、恐怖→自律神経系に作用して止血機能の働きを低下させ痛みを増強させる。
酸素運搬能力の低下→血液の減少による血圧の低下とHbの減少は酸素運搬能力を低下させ、身体の全組織の障害を引き起こす。
体液の絶対量の不足→血管内の血液量の減少は脾臓や、肝臓に蓄えられている血液と、細胞外液の血管内への流れこみで補充さ れるが、水・電解質の平衡異常をまねき、それに伴う中枢神経系の異常な興奮で口渇、悪心、嘔吐、倦怠感、めまいなどがもたらされる。
また体液の絶対量が不足すれば尿量の減少から腎機能の低下へと障害が拡大し、ひ
いては心機能の低下、脳の障害にもつながっていく。
止血栓の形成:血小板や血液凝固因子は血管の損傷部位に凝集して止血栓を作り、出血を止める働きをする。血管修復後の止血栓や血管外へ溢れ出てしまった分はそこでいったん凝固し、血腫を形成するが線維素溶解系の働きで次第に分解され周辺組織にすべて、吸収される。
皮膚が損傷した場合は血痂となり、皮膚組織の修復とともに自然に乾燥し、脱落する
冷感・痛み))→出血初期の段階では血圧の低下に伴う体温の低� �や発汗と、それにより冷汗が生じる。また出血の原因となる血管の損傷は激しい痛みをもたらす。止血栓が形成されて血流が遮断された場合は、末梢循環不全による疼痛や冷感が生じる
腫脹・浮腫))→身体内部で血腫が形成された場合は、組織に吸収されるまでその周辺部位の組織を圧迫・浸潤し、腫脹・浮腫などをもたらす。
看護))
方向性→出血は不安、恐怖、痛みを生じさせる。これらは交感神経を刺激して血管の拡張を促し、血小板の働きを低下させて出血を助長する。不安や恐怖は血液を見ることで増強されやすいので、血液で汚染された衣類、ガーゼなどは目に付かないように素早く片づける。また、治療には医療チームが全力で取り込んでいることをはっきりと伝える。痛みを強く訴えるときは鎮痛剤。不 安、恐怖が強いときは精神安定剤を投与
Ⅰ、出血の把握
通常血管内を流れる全血液量は体重のおよそ1/12~1/13(循環血液量は約5l 75±10ml/kg)でそのうちの750mlまでの出血ならすみやかに脾臓や肝臓などに貯留されている血液が循環血に補充されるため、無症状のことが多い。あってもすぐ軽快)。しかしこれを越えると無気力、無関心、皮膚の蒼白と発汗、微弱な脈拍などいわゆるショック状態があらわれる。ことに2500ml以上の失血ではショック状態となり、ただちに生命の危険をまねくことになる。
出血を認めた場合は、出血部位、持続時間、出血量と性状の把握、顔面蒼白、皮膚の冷感、呼吸、血圧などの全身状態の観察をおこないショックの有無を迅速に判断する。
失血量の予� ��
ショック指数(脈拍/収縮期血圧)→0.5;正常 1;中等度ショック 1,5;
重症ショック
収縮期血圧が80mmHg以下に下降→1㍑以上失血
外頚静脈虚脱(しぼんでいる)→1.5㍑以上失血
低分子デキストランの急速投与でも血圧が上昇しないとき→1,5㍑以上の失血
大腿骨一側の非開放性骨折では500~1000mlの失血
骨盤骨折で尿路損傷がない→1~1.5㍑以上の失血
頸骨骨折→500mlの失血
上腕骨折→350mlの失血、肋骨骨折1本→125mlの失血
Ⅱ、止血の促進
血流の遮断→結紮、縫合、熱変性、化学変性、圧迫、緊縛
四肢の出血で多量に出血した場合やなかなか止血できないときは、駆血帯や包帯で緊縛する。このとき、圧迫部より遠位の末梢部で虚血が� �こるため緊縛した時間を圧迫帯に記入しておき、10~30分ごとに暖める。
駆血は1時間が限度!!
血流の抑制→挙上(心より高く)、安静固定(出血部位に近い関節を動かさないように)、冷却(消化管出血の場合は寒冷刺激は腸の運動を亢進させて、出血を助長するので冷罨法は禁忌)
止血栓の形成は血液が損傷している血管を通常よりゆっくり流れることにより促進される。
止血剤の活用
通常の結紮では止血が困難な毛細血管、小血管からの出血に際し、止血剤のアドナ、トランサミンの内服、輸液への混入やトロンビンの局所的注入、塗布、散布などして止血栓の形成を促進させると止血を早めることができる。
血中の血小板が2万/㎜3以下、出血傾向になると→血小板輸血
濃縮血小板輸血� ��採血後72時間が使用期限
Ⅲ、ショック症状の改善
体液の補充
失血量がそれほどでない→プラズマネート、Albなどの血漿成分を使用し、できる限り全血の輸血をさけ、赤血球は自然の回復を待つのが安全。
しかし!!出血量が500~1000mlあり、Htが38%以下(正常38~45%)Hbが8.5g/dl(正常12~18g/dl)の低値になれば輸血が必要!!
出血時は血管収縮のために注射針の刺入が困難になることもあるので静脈切開に使う手術用具の準備をしておく。血液型の確認。
血圧の低下の予防
まず、プラズマネートおよび、カテコールアミン(副腎髄質から分泌されるアドレナリンとノルアドレナリンの総称。交感神経を刺激したときの効果を示す。)の前駆物質であるドパミン(イノバン)を微量� �続点滴する。それでも血圧低下するようなら、アドレナリン、エフェドリン、テラプチクなどの昇圧剤が投与。(脳内出血では昇圧剤は禁忌)
また循環血液量の減少によって中枢機能が障害されると、気道の反射機能も低下し、痰や分泌物が気道内に貯留しやすくなり、気道閉塞をまねく。
∴痰や分泌物は、吸引器で除去して気道を確保する。
さらに失血により貧血状態になると酸素運搬能力が低下し、呼吸困難に陥ることも多い。
∴酸素マスクを使用して酸素を補給する
Ⅳ、出血に伴う苦痛の軽減
腫脹を軽減する
脳内の血腫や臓器内にとどまる血腫であれば外科的な吸引が検討される。組織内に広がった血腫は局所の温罨法やマッサージなどによって血管の拡張を促して線溶系の働きを高め組織への� �収をよくすれば腫脹を軽減できる。
疼痛・冷感を緩和する
血管損傷部の疼痛は局所的な冷罨法が効果を示す場合もある。体位の工夫や鎮痛剤の使用。温罨法による急激な体温上昇は血管の拡張をまねき、血圧を低下させることがあるので注意!!
Ⅴ、出血による障害の拡大の予防
感染予防:血液には生体を細菌から守る白血球や抗体などが含まれている。出血によってこれらが減少すると、細菌に対する抵抗力が低下し、感染しやすくなる。また、血管の損傷部位や血腫、血痂は細菌が増殖しやすい環境となる
∴清潔保持、高蛋白食、体力低下予防
鉄欠乏性貧血の改善:酸素を運搬するHbの生成には鉄分が不可欠であり、出血によってHbが流出し、鉄分が失われると、酸素の運搬能力が低下し、身体に様 々な障害をもたらす。
∴
鉄材の使用
→鉄材は胃の塩酸によって吸収しやすい塩化第1鉄になるよう調剤されている
→ビタミンCと一緒に飲むと吸収効率がよくなる
→嘔気、嘔吐、下痢、便秘などの副作用がある
→鉄材の使用によって便の色が、黒っぽくなるが消化管出血と間違えないようにする
食事の工夫
→鉄分の吸収を助けるビタミンB12、葉酸を含むレバーなど取り入れる
Ⅵ、再出血の予防
生活用品、環境を整える
生活行動を制限する
血小板5万以下では皮下注射や筋肉注射は原則として禁止。経口、静注にかえる
清拭時に皮膚の状態のチェック
消化管出血や泌尿器の出血には試験紙を用いて、便、尿からの潜血反応をみる
血圧測定は加圧はなるべくゆっ� ��り、1回で済ませる
採血の駆血帯をしめる時間は短く,服の上から締める
採血後は止血の確認!!
身体を締め付けない緩やかな衣類
食事の工夫))
血管壁
血管壁などの生体内の組織の構築にビタミンCはかかせない
血小板
Hbの形成に役立つビタミンBや鉄分は、血小板の形成に欠かせない。レバー、牛乳、などを摂取
血液凝固因子
凝固因子のカルシウムや凝固因子の生成に関与するビタミンkが不足すると、血液凝固が阻害されたり、遅くなるので十分に摂取する。
ビタミンKを多く含む食品→緑黄色野菜、葉茎、豆類、納豆、
カルシウム 〃 →牛乳、小魚のカルシウムは吸収されやすい。他、海藻、こんにゃく
腸管からのカルシウムを吸収するためには、� ��タミンDが欠かせない。
ビタミンD→キノコ類、肉類
止血機能の強化剤を使用))→これらは速効性の止血剤ではない
2006.08.29(21:58)
悪性貧血原因:赤血球生成の減弱による貧血(資材の不足による貧血)
→正常な赤血球生成に必要な因子として金属・ビタミン・タンパク質などがあるがひとでは貧血の発生に重要なものとして鉄・葉酸・VB12が欠乏
悪性貧血はVB12の吸収に必須な内因子の分泌障害(胃全摘など)によっておこる。
分類:大球性正色素性貧血
症状:食欲不振・下痢・灼熱感・消化器症状・めまい・動機・貧血症状
検査:シリング試験・好中球の核の過分葉・白血球の若干減少・LDH活性が高値
治療:VB12の非経口投与。葉酸の単独両方を行ってはいけない。(葉酸は神経症状に対し効果がないか悪化させる)
看護))
血中の不足した成分を補う→輸血の援助・薬物療法の維持・食事療法の指導
< p>苦痛・症状の緩和→安静・マッサージ合併症・2次的障害の予防・早期発見→感染予防・異常の早期発見・事故防止
2006.08.29(21:58)
貧血病態生理)
Hb量の減少で血液の酸素運搬能が低下し、種々の臓器ないし、組織は酸素欠乏状態に陥る。そこで生体はその代償のためにはたらく。
貧血により、各細胞に十分な酸素が供給されないと、筋力の低下を引き起こし、易疲労感、倦怠感、さらに酸素需要の多い脳や自律神経反射などの機能低下を招く。めまい、たちくらみ、、頭重感はこのため。
さらに消化管機能低下から、食欲低下、悪心、便通異常などが見られることもある。
一方代償機転より心拍出量、や心拍数の増加で心悸亢進、頻脈となり、酸素の取り込みを増そうとして頻呼吸や息切れをおこすこともある。なおしばしば見られる皮膚蒼白は、Hb濃度の低下によるものだけでなく、毛細血管の充満度やメラニン色素量、皮下組織の水分量 も影響
MCV(mean corpuscular volume)→平均赤血球容積
=ヘマトクリット(%)/赤血球数(106/μl)×10
赤血球1個あたりの平均容積を絶対値で表したもの
正常値→80~94μ?
MCH(mean corpuscular hemoglobin )→平均赤血球血色素量
=血色素量(g/dl)/赤血球数(106/μl)×10
赤血球1個に含まれる平均Hb量を絶対値で表したもの
正常値→27~32pg
MCHC(mean corpuscular hemoglobin concectration)→平均赤血球血色素濃度
=血色素量(g/dl)/Ht(%)×100
赤血球の一定容積の中に含まれているHb量を濃度比であらわしたもの
正常値→32~36%
形態
MCV
MCHC
MCH
貧血症
小球性貧血
低下
低下
低下
鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア、慢性疾患の貧血
正球性貧血
正常
正常
正常
再生不良性貧血、溶血性貧血、症候性貧血
大球性貧血
上昇
正常
上昇
巨赤芽球性貧血
検査)
RBC数、Ht、MCV、MCHC、MCH、WBC、PLT、出血時間,TIBC(総鉄結合能)、UIBC(不飽和鉄結合能)、A/G比、骨髄穿刺、生検、検尿、便
治療))
食事療法
安静療法
薬物療法
輸血療法
酸素療法
脾臓摘出術
患者の問題))
組織の新陳代謝の低下より易感染状態にある
食餌療法が守られないことによる栄養不足
組織への酸素不足のため動悸や息切れ、疲労感がある
脳への酸素不足より、失神や転倒を起こす可能性がある
組織への酸素不足により四肢末端の冷えがある
貧血の知識が不足していることで治療を受け入れられない可能性がある
貧血による活動能力の低下により、不安感や鬱状態になりやす い
看護))
観察
全身の清潔(入浴が無理なときは清拭、口腔粘膜の清潔)
損傷を予防する
創傷ができたときは直ちに創部を清潔にし、保護
食事の中で必要な栄養素(高タンパク、高ビタミン、高鉄分の食事)をとる
食べやすいもの
必要性を説明、理解させる
労作時症状が出現したとき、すぐに安静にする
からだに負担のない日常生活の方法を患者と一緒に考える
危険物は除去する
めまいや意識が遠のく感じがしたらすぐ安静にする
室温の調整により、四肢の保温が保たれる
2006.08.29(21:57)
血液の働き1,運搬と排泄
①ガスの運搬→空気中の酸素を取り込み、全身各部の組織に酸素を与える
②栄養素の運搬→消化管内の栄養素は主として腸壁から吸収され、そこに分布している毛細血管の中に入り門脈内の血液によって肝臓へ運ばれついで全身各部の組織に届けられる
③Hの運搬→内分泌腺から分泌されたHは血中にはいり全身に分布してそれぞれの器官(標的器官)でその役割を発揮する
④排泄→各組織中にできたタンパク質の分解産物(尿素・クレアチニン・尿酸など)とその他の老廃物や余分の水分を腎臓に運び排泄する
2,体温の調節
血液は全身の温度を均等化する
3,酸塩基平衡の維持
肺から二酸化炭素を、腎臓から酸・アルカリを排泄するとともに血液自身の持つ緩衝作� �(体液のPへを一定に保つ働き)により、PHを一定値(7,4)前後に保っている
4,一定体液量の維持
血液と組織の間の水分の出入りに血漿の持つ膠質浸透圧(水分を引き止めておく力)が重要な役割
5,外敵からの防御
抗体や白血球が存在
6,止血作用凝固因子を含んでいる
2006.08.29(21:56)
軽度の脳震盪の合併症呼吸困難
呼吸は延髄を中心とした脳幹部で自立的に調節されている。これを代謝性調節とよぶ。この自立調節系の呼吸中枢で呼吸リズムが作られる。
この呼吸リズムは神経的調節と、化学的調節を受けている。
神経的調節では、肺・気道・肺血管・呼吸筋にある各種の受容器、頸動脈体および、大動脈体にある化学受容器から迷走神経を介して求心性入力により反射性に調節されている。
また運動すると、筋肉に乳酸ができ、これが燃えて二酸化炭素となる。筋肉から出される二酸化炭素の量がふえて呼吸中枢を刺激する化学伝達物質として働き、呼吸を深く、速くするように化学的調節が行われる。
一方呼吸は大脳や網様体賦活系による精神活動、意識レベルの変化によって随意に調節される。これを行動性調節と いう
検査))
Pao2 Paco2 PH 血液 血液検査、(WBC,RBC,HTC,PLT)胸部X-p、肺機能、CT-MRI
治療)
安静療法
薬物療法
酸素療法
人工呼吸器
呼吸障害とは→内呼吸・外呼吸のいずれかで障害がおこり、血中の酸素と二酸化炭素の維持が適切にできなくなり、生体(細胞)が正常な機能を営めなくなった状態(臨163)
酸素の不足
脳の神経細胞は低酸素血症に弱く4~6分間の無酸素状態で細胞の不可逆的な変化が起こることがわかっている。成人で必要とする酸素の量は、休息しているときで250~300ml/分、激しい運動をしているときでは15l/分以上になる。しかし身体に取り入れて使うことができる酸素の量は4l/分である。
大気は21%の� �素と78%の窒素0.03%の二酸化炭素が含まれている。
拘束性換気障害と閉塞性換気障害
横隔膜の外肋間筋の収縮により胸郭は拡大し外気は吸い込まれ(吸気)横隔膜の緊張がゆるみ外肋間筋の収縮がゆるむと、胸郭は元に戻り呼気が行われる。
拘束性換気障害は胸郭の可動性の減少や肺の伸展性の障害による換気障害である。手術、外傷、腹水の貯留などによる横隔膜や外肋間筋の運動に制限がある場合、低換気をおこすことがある。一方、閉塞性換気障害、気道の閉塞による換気障害である。酸素と二酸化炭素を運ぶ導管としての上気道・気管・気管支・細気管支が腫瘍・血液・たん・異物などで閉塞されることによって呼吸障害を起こすことがある。
呼吸中枢の障害
自律呼吸の呼吸中枢は延髄網様体に� ��り、吸息中枢と呼息中枢がある。この呼吸中枢が神経的、化学的に刺激を受け、呼吸中枢からの指令が胸郭や横隔膜などの呼吸筋を動かすことで調節している。
中枢神経系障害→脳炎・脳血管障害・脳腫瘍・頭部外傷により呼吸中枢そのものが障害を受けることがある。また睡眠薬、麻薬などの薬物では中枢神経系に対して抑制作用が働き呼吸抑制をおこすことがある。
随意的呼吸調節障害→不安・精神的ストレスが大脳皮質を刺激し過剰換気によって血中の二酸化炭素が低下することにより、化学的調節がはたらかず、呼吸障害をおこす。
睡眠・抑鬱・感情鈍麻→換気量の減少
怒り・興奮・不安・ヒステリー→換気の過剰
拡散の障害
肺胞では取り入れられた酸素と血中に運ばれてきた二酸化炭素が交換(� �散)される。肺胞から血液に取り入れられる酸素の量は、肺胞気の平均酸素分圧と血液の平均酸素張力との差に比例する。酸素分圧の圧差1mmHgにつき1分間に摂取される酸素量を拡散係数という。成人では酸素が約15~35ml/分でCO2は拡散係数がO2の約25倍である。
肺炎・肺水腫などの間質の障害
酸素の運搬の障害
Hbの約95%が酸素で飽和された血液(18~20ml/l)で組織を経由して心臓に返ってきたときの血液には14~15ml/lの酸素が含まれている。
出血などの原因で循環血液量が減少したり、貧血によって血液中のHb量が少ないために、酸素を運搬する能力が低下することにより、呼吸障害がおこる。
治療))
気道の確保
ものを誤ってのみこみ気道をつまらせた場合→� �出しやすい体位、背部をたたく
たんや血液や誤嚥した食べ物→吸引器によって吸引
舌の沈下によって気道閉塞の危険→エアウェイを使って気道確保
異物や腫瘍で上気道の閉塞、気道確保されない→気管切開
酸素の供給
全身の酸素運搬能力は動脈血酸素分圧が60mmHg以下になると急激に低下するため、原則として動脈血酸素分圧が60以下の時は酸素吸入の適応
鼻カニューレ(低流量システム)→100%酸素にして、毎分1~5lの流量で酸素吸入濃度は24~44%が確保できる
ベンチュリマスク(高流量システム)→毎分6~10lの流量で40~60%の酸素濃度を確保できる
部分的再呼吸マスク(低流量システム)→100%酸素にして毎分10l以上で60~99%の酸素濃度が� ��保できる
換気の促進
立位や臥位では横隔膜が下がり、胸郭の運動も大きくなって呼吸運動は楽になり、肺の換気面積は増大する
セミファーラー位やファウラー位の体位をとり、着衣をらくな状態にする
呼吸が停止し換気が止まっている場合には、緊急に口-口式の人工呼吸をする
病院などではアンビューバッグ(手動式蘇生器)人工呼吸によって人工換気と高濃度の酸素の補給が同時に行われる。
薬剤の使用
肺炎・結核・肺感染症→抗生物質・抗結核薬
炎症・肺ガン→抗ガン剤・副腎皮質ステロイド剤
気道確保→気管支拡張薬・鎮咳薬・去痰薬
肺循環系の是正→強心薬・利尿薬
呼吸障害のある患者のニーズ
生命の維持
水分と栄養:
呼吸障害のある患者では肺循環系へ の負担を少なくするため、水分摂取の調節が重要となる。氷や冷たい水をとることで少ない量で飲水への満足を得られる。基礎体重の維持を目安とする。食物が入り胃内が充満すると、横隔膜の動きが悪くなり、副交感神経
の緊張も加わって息切れが増強する。消化のよい高栄養の食べ物を何度かにわけて摂取する必要がある。
排泄
呼吸障害のある患者は①運動量が少ない ②水分量が制限されている ③食事摂取量が少ないことによって排便コントーロールがむずかしい。排便時のいきみによって胸腔内圧は極度にあがり、息切れや息苦しさを増強することになる。そのため排便のコントーロールや腹圧のかからない洋式トイレの使用などの配慮が必要。
素分量の過剰は呼吸・循環機能に負担となる。そこで水分・塩 分を制限するとともに、飲水量測定・尿量測定・体重測定をすることによって水分の取り入れ、排出のバランスを把握しながら調節していく
清潔
気道や感染や尿路感染予防は大事。
気道からの感染予防→うがい・歯磨き・抗菌薬の吸入
身体の清潔→日に分けて清拭(酸素消費量を少なくするため)、排尿排便後の清潔・陰部洗浄、入浴中は換気機能が低下する∴シャワーがよい
活動・休息
安静時酸素消費量=200~250ml(運動時は20倍)
呼吸障害があって酸素取り込みが低下していると、息切れ,動悸、呼吸困難などの症状を伴ってくる。
安静時呼吸に要する酸素消費量は全体の2%にすぎない。動いた後5分以内に息切れが改善し、脈が安静時の状態に回復することを目安に する。
夜中に目がさめる、熟睡感がないという、不眠に対する訴えは呼吸障害のある患者に多くみられる。(睡眠時に換気量が減少して低酸素状態が起こること)
精神安定薬・睡眠薬→呼吸中枢抑制による換気障害がある
∴入眠前の精神的安定、静かな環境づくり、温度、湿度の調整、十分なたんの喀出、痛み、咳などへの薬剤の使用
不安
鬱状態が追い込まれることがある。
気が動転する、心配する、怒る、興奮するなどは息苦しさを増強する
社会的疎外
呼吸が障害されることによって生活活動がかなり制限される。そのことによって仕事や人とのつきあいなどの社会的活動が少なくなり人間関係が狭くなる。慢性の呼吸障害を持っている人は社会的支援、日常的に相談にのってくれる人、買い物� �してくれる人、通院に付き添ってくれる人などを必要としている
呼吸障害のある患者の看護
呼吸の観察
呼吸運動は延髄にある呼吸中枢が交互に刺激されて行われる。
数:成人の正常数→15~20回/分
型・性状・リズム
異常呼吸の観察
感染と発熱の予防
体温の測定
正常:36.0~37.0℃ 発熱状態37.0~37.9℃で微熱 38.0℃以上で高熱
たんの量と性状の観察
喫煙は、気管支の線毛運動を、麻痺させると同時に粘液の性状もかえる。喫煙によって肺胞の食細胞マクロファージ機能が障害をうける。
一日量で性状・量・色を測定
看護))
安静、冷罨法
酸素の安全な供給
息苦しさ
安楽な体位
臥位→衣服、強くしめないようにして横になる。頭を軽く 曲げ力を抜いた楽な体位をとる。膝下にまくらを入れ、軽く足を屈曲する
ファウラー位またはセミファウラー位:ベッドをファウラー位またはセミファウラー位に調整し、臥位または側臥位をとる。
起座位:起座位をとり、オーバーテーブルなどの上にまくらなどを置いて、前かがみの姿勢でうつぶせになる
呼吸法
ゆっくり深い呼吸
腹式呼吸(吸気の約2倍の時間をかけてゆっくり呼吸する)
不安が強い場合は安楽な体位をとりながら手を握ったり声かけし落ち着いて呼吸するようにする
生活への援助
2006.08.29(21:54)
咳嗽・喀痰咳とは→気道から粘液等の分泌物、外界からの異物を排出する神経反射であり、一防衛反応である。
痰は →気道分泌物です。生理的範囲を超えて過剰に産生されたもの。これに気道の粘膜上皮、異物、血液成分が混入する
病態生理))
咳の受容体は主として喉頭、気管、気管支、に密に分布し、化学的・機械的刺激を受けると、迷走神経を介して延髄の咳中枢にその情報が伝達される。
中枢に到達した刺激情報は、反射経路を経て呼吸菌に伝達される。まず、呼気がおこり、ついで有声呼出をする。
痰は主として気管支腺と胚細胞から分泌され、線毛運動によって気道上部に運ばれてきます。線毛の長さは気管で5~7μm、末梢にいくほど短くなる。この線毛が運動することで、気道分泌物は移動 する
乾性咳嗽→喀痰をともなわないもの
気道、肺が原因のものと、気道以外が原因のものがある。喫煙、煙、塵埃の吸入などでも見られる。
塵埃や小さな異物の吸入・誤飲・食物の誤嚥など ②喫煙 ③非常に高温・冷たい空気 ④意識的な咳ばらい、ヒステリー ⑤風邪 ⑥肺結核 ⑥肺門部腫瘍、縦隔腫瘍 ⑦大動脈瘤 ⑧瀰漫性間質性肺炎、肺線維症、無気肺、胸水貯留 ⑨胸膜炎、横隔膜腫瘍
湿性咳→痰を伴う咳、痰を喀出するため、湿性咳は抑えないといことが原則だが、程度により鎮咳薬、去痰薬を使用する。
特徴的なもの))
冬季に増悪→肺気腫、肺線維症、慢性気管支炎、気管支拡張症
起床時にみられるもの→慢性気管支炎、気管支拡張症
就眠時にみられるもの→肺水腫、肺気腫
夜間または明け方にみられるもの→気管支拡張症、肺化膿症、胸水、気胸、気管支喘息
検査))
喀痰検査(細菌検査、細胞診、量・性状・色、培養) 血液 血液検査、(WBC,CRP、血沈)X-p、CT-MRI、気管支鏡、気管支造影、ファイバースコープ
治療)
鎮咳剤
去痰療法
患者の問題))
身体的側面
頻回の含嗽は呼吸菌のエネルギーの消耗による体力低下、呼気閉塞減少による気道の変化、胸腔内圧の上昇による循環系の変化などによる二次的障害を引き起こす
多量の喀痰喀出による口腔内の不潔、咳嗽の誘発は食欲不振につながり、体力低下、活動不耐となり、日常生活を行うことを困難にする
感染などにより増加した喀痰は咳嗽とともに体外に排出しなければなら� ��いが、有効な咳嗽の減弱、気道内分泌物の増加、痰の粘稠度の亢進などにより、喀出困難が起こる
痰は気道内に貯留し、粘液を培地として細菌が増殖する
感染による炎症の血痂粘液の分泌は亢進し、繊毛運動も障害を受けるのでさらに、分泌物が貯留する。
・多量の痰は気道を閉塞し、無気肺を起こしたり、換気の妨げとなり呼吸困難を生じる
看護))
観察項目
ケアの実践
緊急時のケア
①吸引 ②タッピング ③不安の緩和
効果的な気道浄化のための予防的及び自己管理に向けてのケア
環境の調整→空気が乾燥しないようにする
有効な咳の仕方の指導→座位など安定した体位をとる、手を下側胸部にあてる、ゆっくり大きい息を吸い、口を開けたまま小さな咳を数回した後、咳 が咽頭に近づいてきたら大きな咳をする
吸入→粘稠度を下げ喀出させやすくする
体位の工夫→横隔膜を下げる起座位や腹筋を弛緩させる
体位ドレナージ→病巣部誘気管支が垂直になるような有効な体位をとらせる
薬物療法→苦痛や疲労が大きい:鎮咳薬
喀痰を喀出させやすくする:去痰剤
食事、水分摂取→喀痰が多量に見られるときはたんぱく質や水分が失われるため、良質のたんぱく質や消化のよいものを摂取する。痰をやわらかくするためにも、水分を多めにとる。腸内ガスの発生は横隔膜を刺激して咳嗽を誘発するので、腸内ガスが貯留するような食品はさける
感染予防
患者および家族指導
2006.08.29(21:53)
腹水腹水とは→腹腔内に可動性の液体が貯留している場合
原因)
①血漿Alb値の低下による膠質浸透圧の低下
②門脈・肝静脈系の圧の上昇
二次性高アルドステロン症による血中Naの停滞とこれに伴う水分の停滞
主因))
低Alb血症→血漿膠質浸透圧は主としてAlbにより維持されるが、肝臓疾患が重篤になると肝臓におけるAlbの生成が減少し、血漿Alb濃度が低下する。その結果としての膠質浸透圧の低下は、門脈・肝静脈系の循環障害とあいまって腹水生成の主因となる(血漿総タンパクが4g/dl、Alb量が2,7g/dl以下のときは腹水が貯留しやすい。
肝疾患の場合、主として肝臓の表面から漏出する血漿成分から成り立っているので、肝内静脈系から血管外に移行する水分が増加して腹水の 成分となる。肝硬変症では再生結節により肝静脈枝が圧迫されるために肝内静脈の流れが障害されて鬱滞し、血清Alb量が2.7g/dlより高くても容易に腹水が生成される。すなわち、門脈・肝静脈系の圧が増している場合には血清Alb値が3.0~3.5g/dl程度でも腹水が貯留する
門脈・肝静脈系の圧の上昇→肝硬変症では再生結節により肝静脈枝が圧迫され、循環障害がおこるが、肝硬変症例における血管造影によって、腹水の貯留と肝内の静脈の変形が密に相関する。肝被膜から漏出したリンパが腹水の主成分。肝内静脈の変形は門脈・肝静脈系の圧の上昇をきたし、結果肝被膜からのリンパ液の漏出が増加する。この際、血清Alb値が低下していれば腹水の生成はいっそう促進される。
高アルドステロン症
アルドステロ� ��とは→体液中の電解質のうち、Naの腎尿細管における再吸収作用を促進させ、Kの排泄を増加させる。この作用を示すのが鉱質コルチコイドでありその代表がアルドステロンである。電解質代謝の調節作用
アルドステロンは副腎皮質から分泌されるHで、腎臓の遠位尿細管でのNaの再吸収を促しKの排泄を促進する。結果体内にNaの蓄積をきたし、Naは水分を伴うので浮腫の発生を招来する。浮腫を伴う肝硬変症患者ではアルドステロンの活性が増加しており、とくに腹水形成期に著しい。
肝内にうっ血がおこると副腎のアルドステロンの分泌が刺激される。
∴肝臓のうっ血が副腎を刺激してアルドステロンの分泌を増量し結果腹水が貯留する。
検査)
腹水患者全例に試験穿刺を行う(10~20ml)血液、検尿� ��便、X線(胸部、腹部)、腹部超音波、CT
性状
肉眼的に混濁が見られる:細菌感染によることが多い
肉眼的に血性:悪性腫瘍、結核性腹膜炎
乳糜:リンパ管の閉塞による。リンパ腫その他の悪性腫瘍、ときに肝硬変症で見られる。
顕微鏡所見:リンパ球の増加→結核性腹膜炎(ときに血性)、
好中球、細菌 →特発性細菌性腹膜炎
印環細胞、ガン細胞→がん
タンパク濃度:
合併症のない肝硬変症ではタンパク反応2,5g/dl以下、リバルタ反応陰性(漏出液)。
肝障害がない場合や結核性腹膜炎の場合のタンパク濃度はほぼ2.5g/dl以上。リバルタ反応陽性(滲出液)
膵疾患による場合はタンパク濃度は低い
アミラーゼ値:膵� �疾患による場合は常に高値
γ-GTP:腹水のγ-GTPが高い場合は肝硬変に肝細胞癌が合併していることを示唆
原因:
治療)
食事療法(塩分・水分制限・低たんぱく血症が原因のときは高カロリー、高ビタミン、高タンパク食とする。糸球体腎炎の時は低タンパク食とする)
薬物療法:利尿剤の与薬
腹腔穿刺
腹腔内には生理状態で20~50mlの体液が貯留しているが、何らかの原因でそれ以上の液体が貯留したものを腹水という。
滲出液→腹膜の腫瘍・炎症
濾出液→①肝臓内外の血液、リンパ系の流れの異常(門脈圧の亢進、肝リンパ液の濾出)
②全身の循環障害、腎機能の低下(循環系うっ帯(心不全・緊縮性心外膜炎)、腎機能低下(ネフローゼ・腎腫瘍)、抗利尿物質の増加)
③低蛋白血症による血漿膠質浸透圧の低下(ネフローゼ、肝硬変、低栄養)
看護))
アセスメント
体位:患者の安楽な体位。腹水によって横隔膜が押し上げられ、胸部が圧迫され、呼吸困難などを伴うのでなるべく半座位を� ��らせる。(しかしこの体位をとると、肝血流量が低下するので、肝疾患の場合は臥床がよい。∴膝に枕をいれ腹筋の緊張をやわらげ、少しでも安楽な姿勢をとらせる)
食餌療法の援助:Naは制限、飲水量と摂取量のチェック!!血漿タンパクが減少傾向があれば高蛋白食
感染と合併症の予防:褥瘡好発部位の手当、全身清拭、部分清拭を行い早期発見につとめる。一定条件の下で体重、腹囲測定、尿量チェック。腹痛、便通との関係、浮腫他の消化器症状、随伴症状もあわせて観察
2006.08.24(01:49)
今年の1月からはじめたこのブログも、おかげさまで・・・100,000HIT!!!!
というわけで、10万のキリバンを踏んだ方。
一言メッセージをいただけると、感激です
今まで見に来てくれた皆さん。
こんな、ショボショボのブログにきてくれてありがとう。
今後も、真面目に更新していきたいと思ってます。
よろしくねぇ~。
宣伝:
国試に向けて、学びの部屋も充実させる予定です。
こちらも、よろしくぅ
2006.08.19(13:34)
ランキング1位獲得!「クレームブリュレ編」2バニラフレーバーコーヒーセット【送料無料】
↑これ!この前注文して飲んだら、めちゃウマっ
実は、職場の先輩看護師さんの家に遊びに行って、「さんまちゃんが、うまいって言ってたコーヒー飲む?」って言われて飲んだのが、ライオンコーヒーのフレーバーコーヒー。
テレビでさんまちゃんが、絶賛だったらしい。(見てないけど(笑))
で、コーヒーが元々好きなほうなので、喜んで飲ませてもらいました。
うまい
というわけで、早速注文(笑)
その気になりやすい私。
おすすめです!!!
コーヒーに砂糖入れる派の人も、砂糖なしで飲めるんじゃないかって勢いです。
とにかく、甘い香り。まろやかな飲み口~。
食いしん坊万歳状態になってきましたが・・・・
ま、それだけの話しです(汗)
2006.08.16(13:13)
血液化学検査、疾患マーカー 1. 間質性肺炎マーカー
1) KL-6:IIP、膠原病性IP、過敏性肺臓炎で70~95%に陽性。
サルコイドーシスはII、III期に役立つ。
(肺癌、乳癌、膵癌、肺結核でも陽性)
2) SP-A:IIP、膠原病性IP、過敏性肺臓炎、放射線肺炎で50~90%の陽性率
肺胞蛋白症
3) SP-D:IIP、膠原病性IP、過敏性肺臓炎、塵肺、放射線肺炎で50~90%の陽性率
肺胞蛋白症
2. 心筋梗塞マーカー
1) 心筋トポロニン(T、I):AMIで発症早期(3~5時間、12~18時間でピーク)
出現。
2) 心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP):AMIで発症早期(1~1.5時間以内)出現。
3. 腎疾患マーカー
1)シスタチンC:Crより感度良好、早期の腎機能障害のマーカー。その逆数は
CCrと良好な相関。
2) 抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体):半月体形成性糸球体腎炎、Goodpasture。
3) MCP-1(Monocyte chemoattractant protein-1):糖尿病性腎症の組織障害程度
4) Eotaxin:好酸球間質性腎炎
4. 糖尿病マーカー
1) 抗GAD抗体:β細胞に存在するグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)に対する自己
抗体。早期IDDM出現率は80%。
2) 抗膵ラ島抗体(ICA):GAD、ガングリオシド、ICA512/IA-2が対応抗原。
IDDMの発症予知や診断に役立つ。
3) グリコアルブミン(GA):アルブミン半減期は約17日なので、GAは採血時の
約2週間前の糖代謝状態を反映
4) 1,5-アンヒドログルソトール(1,5-AG):リアルタイム性の高いマーカー
変動幅が大きく、薬物治療効果判定、糖尿病の急速な悪化を把握。
5. 骨代謝疾患のマーカー
1) オステオカルシン:骨芽細胞で産生。原発性あるいは続発性副甲状腺機能
亢進症を反映して高値になる。
2) PICP(I型ポロコラーゲン末端プロペプチド):骨形成の程度を反映。
悪性腫瘍の骨転移の診断
3) 尿中ピリジノリン、尿中デオキシピリジノリン:副甲状腺機能亢進症、甲状
腺機能亢進症で増加。骨吸収のマーカー。
4) NTx(I型コラーゲン架橋N-テロペプチド)、CTx(I型コラーゲン架橋N-テロ
ペプチド)
5) ICTP(I型コラーゲンC末端テロペプチド):骨吸収マーカー、悪性腫瘍の
骨転移の診断
6. 心血管ホルモン
1) ANP(atrial natriuretic peptide):心房におおいANPと心室におおいBNP
が主体。尿中への電解質排泄作用、利尿作用、血管平滑筋弛緩作用あり。
心不全で増加して重傷度と平行。
2) アドレノメデュリン:副腎髄質に高濃度に存在するペプチドホルモン。
心筋梗塞で増加。
7. 抗リン脂質抗体検出
APTT単独延長は抗リン脂質抗体症候群(APS)に気づかなければならない。
APTT単独延長し外因系(・・・・・・・・・)凝固異常がないとき、患者
血漿と健常人血漿とを混和するmixing testにより、LA(lupus anticoaglant)
と凝固因子欠乏を区別。次いで抗CL(cardiolipin)抗体とLAを検査して、抗CL
抗体とLAの二種類の抗リン脂質抗体を検出。
2006.08.16(13:12)
生理的変動を示す代表的検査項目1.個体間変動
要因:a.性別
・男性が高値を示すもの:Hb、尿酸、Crなど
・女性が高値を示すもの:T-Chol、HDL-Chol、LH、FSHなど
b.年齢
・新生児~小児期
高値:ALP、αFP、WBC、リンパ球比率など
低値:総蛋白、アミラーゼ、T-Cholなど
・高齢者
高値:LH、FSH、T-Cholなど
低値:総蛋白、テストステロンなど
c.生活様式
・食習慣:TG上昇、T-Chol上昇など
・飲酒:TG上昇、γ-GTP上昇など
・喫煙:WBC増加、CEA上昇、IgG低下など
・その他:高地居住でHb増加
d.その他:遺伝的個体差、職業、人種による差
2.個体内変動
要因:a.日内変動
・午前中高値:ACTH、コルチゾール、血清鉄、ビリルビン、カリウムなど
・午後高値:リン、総蛋白、尿酸など
・夜間高値:成長ホルモン、TSH、尿素窒素など
b.日差変動:TG、血清鉄、ビリルビンなど
c.食事
・食後上昇:血糖値、TG、インシュリンなど
・食後低下:遊離脂肪酸
d.運動・体位
・運動後上昇:CPK(CK)、遊離脂肪酸、乳酸、WBCなど
・立位で上昇:総蛋白、アルブミンなど
e.その他
・季節差(冬季上昇):T-Chol、WBCなど
・性周期:LH、FSH、性腺ホルモン、CA125
・妊娠
上昇:ALP、LDH、αFP、T-Chol、hCG、プロラクチン、WBCなど
低下:総蛋白、アルブミン、Hbなど
2006.08.16(13:12)
低テストステロン血症の原因1.加齢
2.栄養障害
神経性食思不振症、肥満
3.疾患
・呼吸器疾患:閉塞性呼吸器疾患
・糖尿病
・内分泌疾患:視床下部下重体腫瘍,甲状腺機能低下症,クッシング症候群
・慢性腎不全
・悪性腫瘍に対する放射線療法、化学療法
・自己免疫疾患:関節リウマチ、SLE、強皮症
・感染症:結核、後天性免疫不全症候群(これらは栄養障害の影響が大きい)
・肝疾患:肝硬変
・血液疾患:白血病,悪性リンパ腫
・遺伝性疾患:重症筋無力症、Kennedy症候群、Prader-Willi症候群
・高血圧症
・薬剤:酢酸クロルマジノン、酢酸リュープロレリン、酢酸ゴセレリン
・アルコール
2006.08.16(13:11)
クレアチン、クレアチニンが異常をきたす疾患1)血清クレアチン増加(尿中排泄量増加)
a.筋肉疾患
進行性筋ジストロフィー、ポリオ萎縮性筋緊張症、皮膚筋炎
多発性筋炎など
b.甲状腺機能亢進症
c.リウマチ性関節炎
d.糖尿病
2)尿クレアチン排泄低下
・甲状腺機能低下症
-------------------------------------
3)血清クレアチニン増加
a.腎糸球体濾過率の低下
各種腎疾患、鬱血性心不全など
b.筋細胞の増加(尿中も増加)
末端肥大症、巨人症など
c.血液の濃縮
脱水症、火傷など
d.甲状腺機能低下症(尿中も増加)
e.尿路閉患
前立腺肥大、両側尿管閉塞など
4)血清クレアチニン低下
・尿崩症
・筋ジストロフィー(尿中も低下)
2006.08.16(13:10)
パルスオキシメータで酸素飽和度が低下する原因1. 低酸素血症
2. 異常ヘモグロビン変異体(abnormal hemoglobin variants)
3. メトヘモグロビン血症
4. サルフヘモグロビン血症
5. 血管内染料(メチレンブルー、インドシアニングリーンなど)
6. 青の爪磨きのいくつかのもの
7. 静脈拍動の亢進
8. 周囲の光に影響された測定不良状態
2006.08.16(13:09)
HbA1c(HbA1c)の偽高値、偽低値について※HbA1cは採血時より1~2か月前の血糖コントロール状態を反映
1. HbA1c偽高値
・アスピリン大量服用時
・アルコール多飲、慢性アルコール中毒(アセチル化Hbの存在)
・異常ヘモグロビン(陰性荷電のHb)の存在
・高ビリルビン血症
・乳び尿症
・腎不全(カルバミル化Hbの存在):同時に存在する貧血のため偽低値を呈する場合が多い。
2. HbA1c偽低値(-->グリコアルブミン等の他の指標を用いる)
・赤血球寿命短縮:溶血性貧血、大出血後
・妊娠
・肝硬変
・異常ヘモグロビン(陰性荷電のHb)の存在
・鉄剤投与、エリスロポエチン投与中
※血糖値とHbA1cの乖離についての補足
・血糖値の変動が大きい場合は乖離があるようにみえる。
・胃切除後の症例では空腹時血糖が低い割には食後血糖が高く、食後血糖のみ
を指標にしているとHbA1cが低くみえる。
・血糖降下剤を使っている時は食後血糖が薬剤で下がる為、HbA1cが高くみえる時がある。
・肝硬変、腎不全、貧血ではその影響を受けないグリコアルブミンを測定する。
・グリコアルブミンは甲状腺機能異常やネフローゼなど、血中アルブミンの代謝
半減期が変化する病態では指標として使えない。
2006.08.16(13:08)
尿色調異常とその原因1. 殆ど無色:尿崩症、糖尿病、腎不全
2. 黄~蛍光黄色:アドナ、ビタミン剤(リボフラビン、カロチンなど)
3. 黄~黄褐色:ビリルビン、ウロビリン
4. 赤~赤褐色:ヘモグロビン、ミオグロビン、ポルフイリン、メトヘモグロビン
・酸性尿において:アンチピリン、サルファ剤、ビート、尿酸
・アルカリ尿において:大黄、センナ、ソルベン、PSP、リファンピシン、フェノールフタレイン
5. 褐~黒色:メトヘモグロビン、メラニン、メチルドパ、L-dopa、アルカプトン、キニーネ
6. 緑色:ICG、緑膿菌、ビリルビン、食用色素(マラカイト緑)
7. 青色:エバンスブルー、メチレンブルー、インジゴカルミン
8. 乳白色:脂肪乳(乳縻尿)、膿尿(尿路感染症)
2006.08.16(13:08)
赤色尿の原因1. 血色素尿(暗赤褐色):溶血性貧血、赤血球代謝異常、異常ヘモグロビン血症
2. ミオグロビン尿(暗赤褐色):ミオグロビン尿症
3. ポルフイリン尿(ぶどう酒様暗赤色):ポルフイリン尿症、ポルフイリン症
4. ビリルビン尿症:溶血性貧血、肝障害、胆道閉塞、便秘
5. 薬物:緩下薬(薬物により赤褐色、ピンク色、橙色、赤色、黄褐色などさまざま)。
鎮痛・解熱薬(赤褐色)、ビタミン薬(橙赤色)
駆虫薬(橙色)、抗痙攣簗(ピンク~赤~赤褐色)
骨格筋弛緩薬(橙色~紫赤色)、治癩薬(ピンク~赤色)
尿路消毒薬(橙赤色~赤褐色)、抗凝固薬(ピンク~赤褐色)
6. 色素混入:エオジン、フクシン、PSP(phenolsulfonphthalein)
BSP(bromsulphalein)
7. 重金属:鉛(赤褐色)、水銀(赤褐色)
8. その他:ベンゼン(赤褐色)、ジニトロフェノール(赤褐色)、トリニトロ
トルエン(trinitroto山ene;TNT、赤褐色)
9. 濃縮尿(濃赤褐色):脱水、下痢、者明な発汗、発熱
2006.08.16(13:07)
尿潜血が偽陽性となるもの1. 採尿後時間がたった尿
2. 低張尿
3. 酸化物の混入
4. ビタミンC、酸化物などを多く含む食事を摂取した場合
5. 膿尿、細菌尿
6. ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿
7. 溶血
8. 月経中に採取した尿
9. 脱水
10. 早朝第1尿
11. 過度の運動
2006.08.16(13:06)
高フェリチン血症をきたす疾患1. 体内鉄過剰状態(細胞内鉄プール増加によるフェリチン産生・分泌亢進による)
・遺伝性ヘモクロマトーシス
・鉄過剰摂取(頻回の輸血)
2. 炎症に伴ったもの(サイトカイン刺激によるフェリチン産生・分泌亢進による)
・感染症
・膠原病
・悪性腫瘍の一部
・その他の炎症性疾患
3. 組織障害に伴ったもの(障害細胞からフェリチンが遊離)
・肝壊死
・悪性腫瘍の一部
2006.08.16(13:06)
CRP・赤沈異常と疾患1. CRP
・正常:健常人、抗リン脂質抗体症候群、線維筋痛症、RA非活動期、SLE
ほか多くの膠原病の非活動期、かぜ症候群等軽微な感染症
・軽度高値:妊娠、喫煙、心筋梗塞、悪性腫瘍、ウイルス等による軽症感染症
SLE、PM/DM、PSS、RA(発症初期、軽症例)
・高値:感染症、心筋梗塞、悪性腫瘍、RA、Behcet、血管炎
・著明高値:細菌性髄膜炎、敗血症等重症感染症、急性膵炎、Castleman病
2. 赤沈
・正常/遅延:健常人、重症肝障害、DIC、真性多血症、脱水、無フイブリノ
ゲン血症、無γグロブリン血症
・軽度促進:妊娠・高齢者・多くの膠原病の非活動期
・促進:感染症、感染症等急性炎症回復期、貧血症、マクログロブリン血症
多発性骨髄腫、悪性腫瘍、クリオグロブリン血症、ネフローゼ症候群
SLE、RA、Sjogren、MCTD、PM/DM、リウマチ性多発筋痛症
・高度促進:重症感染症、血管炎、Behcet病、リウマチ性多発筋痛症
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